第68章 盾役

夏川紅蓮は、諏訪淳行の荒い息混じりの早口を聞かされ、危うくぎょっとするところだった。

だが、彼が言いたかったのはただ「絵が好きだ」という話だと分かると、すぐに落ち着きを取り戻し、こくりとうなずく。

「ありがとうございます」

「正直、山河先生が女の子だなんて、まったく想像してなかった。しかも……君が山河先生だったなんて」

紅蓮は気にした様子もなく肩をすくめた。

「絵はただの趣味です。だから、わざわざ外に言う必要もないと思ってました」

今日だって、須藤美代の一件がなければ、自分が山河だと明かすつもりはなかった。

「でもさ、気になるんだ。君の絵って……誰に師事したの?」

諏訪淳行の...

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