第28章

その頃、沈村蓮はちょうど身支度を終えたところだった。空腹に耐えきれず、隣人へメッセージを送る。

「家にいる?」

藤原洋介からの返信は秒だった。

「いる」

沈村蓮は一応、遠慮がちに言う。

「もうすぐ12時」

返ってきたのは言葉ではなく写真だった。藤原の家の食卓。すでに出来上がった料理がずらりと並び、どれも沈村蓮が昨夜から食べたいと思っていたものばかり。

沈村蓮はすぐベランダへ出た。隣のベランダ側を見ると、藤原洋介が電話をしながら、片手で皿や箸を並べている。

「了解。常に張りつかせて。世論を燃え上がらせるな」

淡々と言い切って通話を切り、藤原は沈村蓮へ視線を向けた。

沈村蓮の...

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