第42章

浅川月が中へ入っていくのを見て、沈村蓮も続いて足を踏み入れた。

――と思った瞬間。

一歩目を出したところで、前を行く浅川月がばっと振り返り、反射的に沈村蓮の腕を掴んで外へ引きずり出した。勢いのまま、扉を「バタン!」と閉める。

沈村蓮の額に、ゆっくりと「?」が三つ浮かぶ。

「……何してるの」

浅川月は目を見開いたまま言った。

「沈村蓮、私さ、昼寝が足りなくて幻覚見てるのかも。ねえ、今、中で誰を見たと思う??」

「誰」

「村岡俊世!!」

浅川月の目が、ほとんど光っている。声も裏返りそうなほど高い。けれど一応、外聞を気にして必死に抑えているのがわかった。

沈村蓮は「へえ」とだけ...

ログインして続きを読む