第60章

それを聞いて、沈村蓮は少しだけ迷ってから言った。

「たぶん、明日戻る」

清村の近くにある古城で死霊めいた異物が出た以上、見て見ぬふりはできない。しかも田山監督の相はあまり良くない。今夜、何か起きてもおかしくなかった。

この流れだと、田山監督は今夜も民宿に戻って泊まるだろう。民宿にはスタッフが多い。彼女だけ先に抜けるわけにもいかない。

自分で手を出さず、術門に裏で報告して術士を派遣させるにしても、間に合う保証はない。

それに、彼女の見立てではその死霊は弱くない。術門の人間でも相当手こずるはずで、少しでも判断を誤れば清村の住民に被害が及ぶ。

そう考えて、沈村蓮は続けた。

「明日の夜...

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