第76章

村岡俊世は一瞬きょとんとして、反射的に沈村蓮へ目をやり、うなずいた。

「彼女は今……まあ、悪くない暮らしをしてるよ」

「本当ですか?!」NPCは目尻を赤くして身を乗り出す。「moonが元気なら、それだけで……! この二年間、moonはもう先生と一緒に曲を作ってないでしょう。だから俺たち、まさか何かあったんじゃって、心配で心配で……。先生がそう言ってくれるなら、古参もやっと安心できます!」

村岡俊世は端正な顔に、穏やかな笑みを浮かべた。どこか含みを残す声で言う。

「もしかしたら今、この番組を見てるかもしれない。君たちが気にかけてるのも、もう知ってるだろうね」

「じゃあ、先生とmoon...

ログインして続きを読む