第54章

天川彩香はまだ賭けてみたいと思っていたが、私の分析を聞いて思わず罵声を上げた。「クズ男!」

それから私は藤原純に電話をかけた。

電話はつながったが、何度かけても、予想通り出なかった。

私たち一行は警察署を出た。

山本美汐が自ら申し出た。「小林さん、天川さん、入口に車が待っていますので、一緒にお送りしましょうか」

「山本さん、今日はわざわざ足を運んでいただいて、送っていただかなくても大丈夫です。タクシーでも構いませんから」

私は断ろうとしていた。

しかし、天川彩香は目ざとく入口の車を見つけていた。「山本さん、待っているって車、もしかしてこれじゃない?マイバッハ、高級車じゃない!や...

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