第144話マーティンさん、お母さんが行方不明

「エマ、かわいい孫娘よ、来てくれたのね!」

ノラはエマの姿を目にした途端、ぱっと笑顔になった。

今日が何の日か分かっていたエマは、急いで駆け寄ると、用意してきた贈り物を取り出した。

エマが来てくれただけでもノラは嬉しかったが、その手に贈り物があるのを見て、喜びはいっそう増した。

ノラは慈しむようにエマの頭を撫で、心から褒めた。

「うちのエマは本当に気が利くわね。私を困らせることしかできない誰かさんとは大違い」

その「誰かさん」がジェームズのことなのは明らかだった。

だがジェームズは何も聞こえなかったかのように、落ち着き払って紅茶をすすり続けた。

マーティン邸の茶葉は希少で、名誉ある...

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