第227話ミラティアに刻まれる名前

その夜、街は眠らなかった。

夕刻までに、ジェームズの公の宣言は、エルドリアのあらゆるビジネス界、あらゆるメディアの回線、そして私的な交友の輪にまで爆発的に広がっていた。金融番組はリン社崩壊を、個人的な戦争の巻き添え被害として語り直した。ライフスタイル系のプラットフォームは、白い装いで会見に立つデイジーの映像と、そこへ割り込むジェームズの場面を、飽きることなく延々と繰り返し流し続けた。

マーティン邸では、テレビは終始、音を消されたままだった。

知らない誰かに自分たちの人生を語られるのを聞く気力など、誰にも残っていなかった。

エマは早々に眠りに落ちていた。大人たちがやけに小さな声で話し続け...

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