第231章:ハーラン・ヴォス

誰も動かなかった。

ほんの一秒、部屋はシャーロットと、ライトの下に座る男とのあいだに引かれた一本の恐ろしい線へと収束した。

ハーラン・ヴォスは、トラウマが記憶の中で作り上げる怪物とは似ても似つかなかった。

教養がありそうに見えた。

抑制が利いていた。

ほとんど学者のようですらあった。

だからこそ、なおさら質が悪い。

ジェームズが先に武器を構えた。

「見えるところに手を出せ」

ハーランは銃へ一瞥をくれ、それからジェームズを見て、どこか軽く苛立ったような顔をした。

「撃つつもりなら、マーティン氏。口を開く前に撃っていたはずだ」

ジェームズの声は平坦だった。

「それはまだ変わりう...

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