第74話マーティンさん、もうそんなことはしない

「あなたみたいな人間が、マーティン・グループのサービスにふさわしいとでも本気で思っているわけ?」ライラはあからさまに呆れたように目を丸くして、鼻で笑った。

「買う気もないのに見て回るだけの人なんて、これまで腐るほど見てきたわ。こっちが騒ぎ立てずに優しくしてあげてるんだから、身の程を知ったらどうなの」と、彼女は言葉を続ける。

そしてライラはデイジーに向き直ると、態度は一変して熱心に媚びへつらった。「ご覧の通り、私たちが本当にサービスを提供すべきなのは、リン様のようなお客様だけなのです」

デイジーは満足そうに、口元に小さな笑みを浮かべた。彼女は何気なくカードを取り出すと、カウンターにあるバッ...

ログインして続きを読む