第8章

大志視点

大志が美香を自宅に連れ帰ってから三日が経っていた。彼女の世話をし、快適に過ごせるよう気を配り、必要なものは何でも運んでやる三日間だった。

彼女は転倒した際に足首をひどく捻挫しており、医者からは安静が必要だと言われていた。だから大志は彼女に付き添い、彼女の好きな食べ物を注文し、時間通りに薬を飲ませてやった。

しかし、四日目の朝、何かが彼の胸に引っかかった。

美奈子のことだ。

あの夜以来、彼女に会っていない。一度も様子を確かめていなかった。彼女はきっとまだ家にいて、彼が帰ってくるのを待っているのだろう。

「少し家に帰らないと」と彼は美香に言った。彼女はソファ...

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