魔法のサーカス。

レイナの視線が、アズテックの肋骨のあたりに広がるあざへと走った。何か言い返そうと唇を開きかけたものの、言葉が見つからない様子だ。エリオットは頬を染めてうつむいたが、その照れくささの下には誇らしげな光が揺らめいていた。ノアが彼女の前に立った。その声は穏やかだが、響きには変わらぬ強さがある。「レイナ、エンヴィーの心臓が止まった時……彼女を救ったのは俺じゃない。俺たちの誰でもなかった。君の息子だ。エリオットがあのクリスタルを彼女の胸に押し当て、その意志で命を吹き込んだんだ。彼が、彼女を俺たちの元へ連れ戻してくれた」ノアはかすかに口角を上げた。「あの子はもう、君が世界から守ってやるべき子供じゃない。自...

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