普通以外なら何でも。

メイシー

エンジンが足元で悲鳴を上げた。何マイル先まで聞こえようが、今回ばかりはどうでもよかった。聞けばいい。このクソみたいな世界全部に、私が走り去る音を聞かせてやる。目尻に涙が滲んだ。それが風のせいなのか、エリオットのせいなのか、自分でもわからなかった。知りたくもなかった。あいつ、一体何様のつもりなの? まるで復讐の天使みたいに乗り込んできて、私を少しでも妙な目で見た奴がいれば、誰だろうと引き裂かんばかりの勢いで。私が自分の身も守れないとでも思ってるの? 雷が怖くてあいつのベッドに潜り込んでいた、あの幼い子供のままだと本気で思ってるわけ?

私は奥歯を噛みしめ、スロットルをさらに強...

ログインして続きを読む