フラワーバット。

レヴィ

エンヴィーは大きく見開いた不安げな瞳で、輝く水面を見つめながら俺の方へと後ずさる。「分からないわ」と彼女が囁くと、俺は後ろから腕を回して抱きしめ、彼女の背中を預けさせた。二人で、まるで目覚めた記憶のような青い光の軌跡を残しながら漂う花を見つめる。

俺は石の縁から別の干からびた百合を手に取り、慎重に掌に乗せて、彼女に見えるように持ち上げた。「もう一度やってみてくれ」

彼女は眉をひそめた。「レヴィ、何をしたのか自分でも分からないの。やろうとしたわけじゃないのよ。ただ、生きていた頃どんな香りがしたか想像していただけで……」

「なら、それをもう一度やるんだ」俺は彼女のこめかみに...

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