第百八十四章

セフィ視点

皆でエレベーターに向かって歩いていると、アンドレイが私の肩に腕を回してきた。彼は私を見下ろし、顔に笑みを浮かべていた。

「最近、礼を言ってなかったよな。トリを紹介してくれたこと、それから彼女を俺の人生から追い出すきっかけを作ってくれたこと、どっちも感謝してるよ」

私は笑った。「追い出すきっかけになったことの方が大きいんじゃない? まったく、彼女があそこまでイカれてるなんて思いもしなかったわ」

ミーシャが真剣な顔で私を見た。「だがガゼル、マックスのことで心を痛める必要はない。君は忠告したのに、奴が聞かなかったんだ。その結果は奴自身が背負うべきものだ」

私はため息をつき...

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