第二百九章

セフィ

オフィスへ下りるエレベーターの中で、彼の気分がずっと良くなっているのがわかった。彼が不思議そうな顔で私を見下ろしているのに気づく。何を考えているのかと思い、私は片眉を上げた。

「気分が良くなったみたいね?」

彼は確信が持てないかのような口ぶりで、疑問形のようにそう言った。

私は笑いながら頷いた。

「私もあなたについて、ちょうど同じことを考えていたの。二人とも、数時間離れる必要があったのね」

彼は私を引き寄せ、強く抱きしめた。

「間違いなくな、ソルニシコ。君が俺のためにどれだけのことをしてくれているか、自分では完全にはわかっていないだろう」

私が見上げると、彼は私の額にキスをしてそ...

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