第三十一章

アドリック

「賭けてもいいが、ママはヤク中だったんじゃないかい? 薬代を稼ぐために体を売るのが忙しくて、お前を育児放棄したんだ。見知らぬ男とヤッてない時は、ラリりすぎて子供がいることさえ忘れてたんだろう。……図星だろ?」

スティーブンは口元に小さな笑みを浮かべてそう言った。スティーブンの素晴らしい点は、その心理学への理解の深さだ。彼は我慢の限界を超えた時にだけ、それを武器として使う。めったにないことだが、アルマンドがセフィにしたことを思えば、彼はとっくに限界を超えていた。彼は誰よりも巧みに人の精神をかき乱す術を知っており、それを楽しんでいた。

アルマンドは再び暴れ出し、拘束を解こ...

ログインして続きを読む