第三章百十一

――セフィ

ジャーナリストは笑い声を上げた。「いい指摘だ。君なら信用できると思っていたよ。ここ数年、この二人の男について情報を探っていたのは、私以外では君だけだからな。数年前に一人だけ別の男に会ったことがあるが、それきり音沙汰がなくなった。私がリカルドの正体を突き止める前の話だ。これは危険な賭けだよ。彼らは非常に危険な世界で商売をしている危険な男たちだ。海外でのロレンツォの残虐行為については、数え切れないほどの噂がある。リカルドは目立たないようにしているが、彼も似たようなものだろう。少なくとも三十年はロレンツォと深く関わっているんだからな」

「二人は同じ穴のムジナってところだろうな」チェン...

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