第三百二十二章

――アドリック

寝室から出ると、いつものように仲間たちが俺たちを待っていた。今朝の彼女は、ここ数週間で一番元気そうに見えた。廊下をゆっくり歩く彼女を、俺が手を貸して待つ必要もなかった。仲間たちも、今朝の彼女がいつもより明るい様子であることに気づいたようだ。

「今朝はずいぶん調子が良さそうだな、ガゼル」とミーシャが言った。彼は彼女に微笑みかけたが、明らかに驚いてもいた。

「今朝は気分がいいの。目が覚めたときに頭がぼんやりしていないのは久しぶりだわ」と彼女は言った。「今日はまともな食事が食べられるかもしれない」

ミーシャは周りの皆を見渡した。「今回は全員が証人になってくれて助かったよ。彼女...

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