第三百二十九章

アドリック視点

待ちに待った日が、ようやくやって来た。セフィのギプスがついに外れるまで、ずいぶんと長い時間がかかった気がする。彼女の肩の状態は順調に回復しており、ギプスで固定されている範囲内であれば、腕を動かせるまでになっていた。肋骨の具合も良くなっていて、今では鈍い痛みを感じる程度だという。ようやく呼吸も楽になってきたと彼女は言っていた。今回ばかりは、俺たち全員が病院への道のりを楽しみにしていた。

「セフィ、ギプスを外す前にもう一度レントゲンを撮らせてほしい。肺の状態も再確認しておきたいからね。抗生物質を飲み終えてから、呼吸の調子はどうだい?」ウィリアムズ医師が尋ねた。

「良く...

ログインして続きを読む