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アドリック

アルマンドほど殺したいと思った奴はいない。それなのに、彼女はダメだと言うのか? 普段は彼女の言うことなら何でも同意するが、今回ばかりは絶対に譲れない。あいつは苦しむべきだ。今以上に。そして俺は、あいつの顔から生命力が消えていく様を見届けてやる。

『殺したいのはわかってるわ。実際、そう思ってくれるからこそ、もっと愛おしく感じる。でも、説明させて』

再び頭の中に彼女の声が響いた。俺は周りの連中を見回した。何か起きているのは感づいているようだが、確信はないらしい。皆、いつ飛びかかろうかと身構えているように、少しピリピリしていた。セフィが俺の方を向いた。目は完全に黒く染まって...

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