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【セフィ視点】

ヴィクトルと私はもう少し話し込んでいたけれど、やがて私が震え始めたので、家に戻ることにした。どちらにせよ、数時間は外にいたことになる。彼は立ち上がり、私も立つのを手伝ってくれた。そして振り返ると、私の前に立った。

「乗りな、お姫様。一人で歩いて帰らせるわけにはいかないだろう?」

私はクスクスと笑いながら、素直に彼の背中に飛び乗った。

「それって甘やかしすぎよ。でも、そのおかげでもっと好きになっちゃうかもね」

家への帰り道、私は彼の首に回した腕に少し力を込めながらそう言った。

話をして、気分はずっと良くなっていたことは認めざるを得ない。彼はもうみんなと一緒にいるのが苦ではな...

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