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アドリック視点

「全然違う感覚なんだ」俺はどう表現すべきか考えながら言った。「君から伝わってくる感情には、いつだって温かみがある。だからこそ、それがヴィクトールの悲しみだったときはすぐに区別がついた。その温かさは、君が俺をどれだけ愛しているか考えているときに感じるものに似ている。他のどんな感情にも、その温もりが寄り添っているんだ。だけど、君の中の『悪魔』が出てくるときは、まるで真っ赤に燃え盛る炎のような感じがする。気が強くて、好戦的だ。何を感じていようと、そこには『くたばれ』って突きつけるような要素がある。威圧的だけど、同時に愛らしくもあるんだ」

そう話している間、俺は彼女の瞳が琥...

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