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――セフィ視点

「いや、こんなことは初めてだ。これまではいつだって答えを見つけられたのに、あの時ばかりは全てがぼやけていた。他のときは毎回、どんどん鮮明に見えるようになってきているのに」と彼は言った。明らかに困惑している様子だった。

「同じ答えをもう一度探そうとしてみたか?」スティーブンが尋ねた。

「ああ、毎回同じ結果だ」ミーシャが言った。

私の頭はフル回転していた。私は自分に回されていたアドリックの腕を解くと、アンドレイのために作った残りのクッキーの方へと歩み寄った。私が何かに悩んでいる時は無性に甘いものを欲しがることを知っている彼らは、一様にニヤリと笑った。「何よ? 糖分は思考を助...

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