第5章
「俺はてっきり……」
いつもは自信に満ちた零士の低い声が、珍しく口ごもり、不自然に宙に浮いた。
私は皺くちゃになったシーツを強く握りしめ、指先は力の入れすぎで白くなっていた。屈辱と熱の塊が血管の中を狂ったように駆け巡り、私は目元を赤くしながら、歯を食いしばって彼の言葉を遮った。
「私がどこでも発情して、誰にでも股を開くふしだらな女だとでも思ったの?!私から誘惑したとでも思ってるの!」
零士はふいに眉間を深く寄せ、普段は波一つ立たないその顔に明らかな後悔の念を走らせた。
「すまない、俺の誤解だった」
その声はひどく掠れており、私の胸の奥を震わせるほどの罪悪感を帯びていた。
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