第45章

藤原和也の目に入ったのは、極めて完璧な設計図だった。手書きのその図面には、周囲に多くの注釈が書き込まれ、非常に明瞭で詳細なものだった。

この図面は、数日前に篠原菫子の部屋のドアの内側で見かけた下書きと非常に似ていた。

ただ、あの時の下書きはここまで詳細ではなく、いくつかの箇所が修正されていて、より合理的になっていた。

「この図面は誰が持ってきたんだ?」藤原和也はすぐに小さな助手に尋ねた。

「あ、確か光橋グループのデザインディレクターの助手の方で、篠原…篠原菫子さんという方です」

「すぐに彼女に会わせろ!」藤原和也は即座に言った。

「かしこまりました、藤原社長」助手は藤原和也を連れ...

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