第16章 無能のくせに、何の優越感なわけ?

翡翠のペンダント――実は、対になっている。

横尾孝人の手元にも、もう一つ。

龍と鳳凰が寄り添う造りで、別々なら弓なりの三日月、重ねればひとつの円になる。

“円満”を象る形。

おばあちゃんは生前ずっと、私と横尾孝人が、幸せに円満で一生を送れるよう願っていた。

私だって、かつてはそう望んでいた。

でも――恋も結婚も、いつだって二人で作るものだ。

私ひとりが守り続けたって、何になる。

私と横尾孝人が、“円満”に辿り着くことは、きっとない。

南雲玲奈は胸の奥の酸っぱさをぐっと押し殺し、淡々と答えた。

「分かりました」

そう言うなり、二人の目の前で迷いなく首元に手をやり、翡翠のペ...

ログインして続きを読む