第189章 彼女は大村おじいさんの弟子?

横尾孝人は黙っていた。

だが、よく見れば分かる。男の瞳の色はさらに深く沈み、まとった空気はひやりと冷え切っている。

同じテーブルの社長の一人が、杯を持って立ち上がりかけた。――が、その反応を見て、気まずそうに腰を下ろした。

横尾グループは海城では確かに名が通っている。

しかし医薬業界では、正直なところ存在感が薄い。

協業したくても、そもそもルートがない。

それでも皆が首をかしげた。あれだけ派手に失敗して、笑いものにまでなったのに、なぜ横尾孝人は今夜このパーティーに顔を出したのか。

――いったい、何をしに来た?

野次馬根性をむき出しにしたまま、話題は自然と高橋局長のいるテーブル...

ログインして続きを読む