第197章 彼女を連れて西京市へ帰る

南雲玲奈は胡散臭そうに彼を見て、言った。

「冗談でしょ? 私がわざわざ損するようなことすると思う?」

あの一家とは、できることなら一生関わりたくない。二度と顔を合わせないのがいちばんだ。いまさら引き返して、わざわざ火の中に飛び込むわけがない。

頭がどうかしてるわけでもない。

「もちろん、冗談じゃない」

藤井一輝はさらりと言う。

「でも、当時――意地を張って突っ走ったのも、玲奈だったよな」

「……」

南雲玲奈は言い返せず、肩を落として吐き捨てるように言った。

「若かったの。人を見る目がなかった。五年も経てば成長もするし、目も肥える。腐った縁に戻る趣味なんてないわ

そういう黒...

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