第36章 ついに待ちに待ったあの人に会える

今村爺さんとしばらく話したあと、南雲玲奈は彼と日取りを決めた。

当日は車を寄こして迎えに行く――そう今村爺さんは約束してくれた。

話がまとまると、南雲玲奈はもう休息の邪魔をしないよう、早々に病室をあとにした。

病室の外へ出た途端、胸の高鳴りを隠せない。

うれしさと期待が、ふわりとこみ上げてくる。

ついに、あの謎の心理カウンセラーに会える。

もし無事に力を借りられたなら、香澄の容体だってきっとよくなるはずだ。

そんな思いでいっぱいになり、ふと顔を上げた瞬間、藤井一輝の姿が目に入った。

男は廊下の壁にもたれ、足を投げ出すようにして立っていた。

姿勢だけ見れば少しだらしない。けれ...

ログインして続きを読む