第39章 彼との縁は、もうとっくに始まっていた

外へ駆け出した。

けれど、結局のところ――二本の脚じゃ四つの車輪に敵わない。

南雲玲奈が追いかけて道路へ飛び出したときには、ロールス・ロイスはすでにかなり先を走っていた。数秒もしないうちに、雨幕と街の灯りに紛れて姿を消す。

胸の奥が、すうっと空っぽになる。

あれだけ必死になって探して、ようやく見つけたのに。ほんの目と鼻の先だったのに――こうして、すれ違って終わりだなんて。

じゃあ、香澄はどうしたらいい?

香澄を「ちゃんと治せる」のは、あの人だけなのに。

お願いする時間すら、なかった。

遅れて江藤も追いかけてきた。遠ざかる車の影を見届けると、彼は南雲玲奈へ視線を向ける。

さっ...

ログインして続きを読む