第52章 この家、いらないならそれまでだ!

だが、両親に余計な心配をかけたくなくて、彼女はすぐに感情を押し込み、言った。

「ちょっと用事があって、香澄を連れて出ていたの。……ほら香澄、早くおじいちゃんとおばあちゃんにごあいさつして」

香澄はぱちぱちと目を瞬かせ、少しためらってから、甘えた声で呼んだ。

「おじいちゃん、おばあちゃん~」

「まあ!」

「おおっ」

南雲静佳と南雲芳樹は一瞬きょとんとしたあと、そろってうれしそうに応えた。

とりわけ静佳はたまらないというふうに香澄を抱きしめ、頬をゆるめる。

「うちの香澄ったら。もう何か月も会ってなかったでしょう? おばあちゃん、会いたくてたまらなかったのよ」

芳樹もにこにこと目...

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