第33章

「ひら……プリュム先生、こちらへどうぞ。松村様が執務室でお待ちです」

フロントが恭しく告げる。

平原綾香は小さくうなずき、案内の背に続いて、再び最上階へ直通する専用エレベーターへ乗り込んだ。

扉が開いた瞬間、外で待っていた林原深川と目が合う。

彼は平原綾香を見て、表情こそ崩さなかったものの、瞳の奥に走った一瞬の驚きを、彼女は見逃さなかった。

「ひら……プリュム先生、こちらへ。松村様はすでにお待ちです」

林原深川は即座に気配を整え、深く頭を下げる。

ほどなくして、執務室で平原綾香と松村礼嗣が向かい合った。

松村礼嗣は本来、こう切り出す算段だったのだ。

プリュムを名乗った件は水...

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