第70章

制服姿の警官が数人、ざわつく人波をかき分けるように早足で進み、まっすぐ平原寧々の前へとやって来た。

『平原寧々さんですね?』

先頭の警官が手帳を開いて身分証を示す。

『複数の刑事事件に関与した疑いがあります。署までご同行ください』

平原寧々の顔から血の気が引いた。反射的に一歩、後ずさる。

『……ち、違う。私じゃない。人違いよ』

上野美咲も動揺し、慌てて娘の前に立ちはだかった。

『ちょっと、何するんですか! 娘が何をしたっていうの? 証拠はあるんですか!』

『証拠は揃っています』

警官の声は硬い。

『詳細は署で説明します。抵抗せず、協力してください』

平原寧々の膝ががくり...

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