第22章

「乙村のお嬢様。あんたに手を貸したのは、昔からのよしみがあったからだ。それだけで十分だろ。……その『友だち』とやらを、俺が助ける義理がどこにある?」

林原翔吾の声は氷みたいに冷たく、不機嫌さが滲んでいた。

「出ていくって言ってたよな。今どこにいる」

乙村彩羽は胸の奥をぎゅっと掴まれたみたいに気後れして、唇を噛んだまま黙り込む。

林原翔吾は吐き捨てるように言った。

「俺は聖人じゃない。今後、こういう話は持ち込むな。……それと、さっさとA市から出ていけ。さもないと——容赦しない」

昨夜までは、乙村彩羽がどこで何をしていようと、そこまで気にしていなかった。

出ていかなくても、こちらの...

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