第24章

車は裁判所の正門前で止まった。

遠目に看板を認めた瞬間、乙村彩羽の胸は大きな手でぎゅっと握り潰されたみたいに重くなり、息がうまく吸えなくなる。

三年前のあの裁判が、彼女の中に裁判所という場所への濃い影を落としていた。

門を目にするだけで、法廷の真ん中に立たされ、誰ひとり味方のいないまま取り残された光景が蘇る。

しかも今は、石塚勝矢が隣にいる。圧迫感は倍どころじゃない。

「石塚勝矢……私、どこか別の場所で待っちゃだめ? ほんとに逃げないから」

恐る恐る、許しを引き出そうとする。

石塚勝矢はすでにスマホを取り出し、午後の開廷予定の事件記録に目を通しはじめていた。

本来はほかの裁判...

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