第33章

時は刻一刻と過ぎ、日差しは容赦なく肌を刺してきた。

乙村彩羽の背中にじわりと汗がにじみ、頭の奥が重くなる。

――気のせいだろうか。二階から、誰かに見られている気がする。

けれど顔を上げて確認しても、そこには何もない。

我に返った乙村彩羽は小さく首を振った。軽い熱中症だ。ぼんやりしたせいで、妙な錯覚が出ただけ。

空を見上げる。もう正午が近い。これからさらに日が高くなって、暑さも増す。

急がないと。早めに終わらせよう。

そう決めると、乙村彩羽は余計なことを考えるのをやめ、手元に集中して作業を続けた。

昼になっても、花の剪定はまだ終わっていない。だが体はきつく、ちょうど昼食の時間で...

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