第46章

工場の中は漆黒だった。向かいに停められた車だけがライトを灯している。

石塚勝矢の大柄な影がその光をすべて塞ぎ、乙村彩羽は闇に呑まれた。

彼が纏う圧は肌にまとわりつき、地獄の底に立たされているような錯覚さえ覚える。思わず踵を返して逃げ出したくなる衝動――けれど、斉藤翼の手の中に小崎寧音がいる。彩羽は歯を食いしばり、それを必死で押し殺した。

「説明しろ」

悪魔の囁きみたいな声だった。

彩羽の身体が、かすかに震える。長い沈黙のあと、ようやく勇気をかき集めて顔を上げ、彼の視線を受け止めた。

「見てのとおりよ。バー絡みの一連の件は……全部、私が裏で動かしてた」

動揺を悟られたくなくて、背...

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