第51章

乙村彩羽は反射的にもがこうとした。だが、両手は石塚勝矢にきつく掴まれ、湯気のこもる浴室の壁へと押しつけられていた。

二人の服はすっかり濡れそぼり、頭上から降り注ぐ熱い湯が肌を打つ。周囲の空気まで奪われたように、息苦しい。

互いの呼吸はみるみる荒くなり、胸が激しく上下していた。

石塚勝矢の口づけはますます深くなる。それでも、まだ足りない。

乙村彩羽の喉から漏れるかすかな声が、彼の内に燻る火をさらに煽った。

焼けるように熱い掌が、濡れた衣服越しに腰へ触れる。

びくっ、と乙村彩羽の身体が感電したように大きく震えた。

石塚勝矢は懲らしめるように彼女の唇を軽く噛み、そのまま一歩踏み込む。...

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