第407章

指先にぐっと力が込められる。和泉郁佳はどきりと胸を跳ねさせ、咄嗟に手を引こうとした。

「どうした? 怖気づいたか?」

唐沢翔は片眉を跳ね上げ、声音を低く落とす。

「違います……どうして手を強く握るんですか?」

和泉郁佳の透き通った瞳には、抗議の色が浮かんでいた。

「手を握らずに、足を握れとでも?」

唐沢翔はそのあまりに間の抜けた問いに、思わず軽口を叩く。

「あなたね……」

和泉郁佳が言い返そうとした瞬間、唐沢翔の手が強引に彼女の細腰を引き寄せ、くるりと身体を反転させる。

視界の中で光と影が揺らめいたかと思うと、次の瞬間には、彼女は男に導かれるまま音楽に乗ってステップを踏んで...

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