第419章

彼女は胸元をぎゅっと掴み、まるで心臓から血が滴り落ちるような痛みに顔を歪めた。

「これほど危険で難易度の高い手術です。後遺症が残る可能性は大いにありました。どうかご自分を責めないでください。水原社長の一命を取り留めただけでも、奇跡に近い幸運なのですから」

井上院長は穏やかな口調で諭すように言った。彼女がいかに責任感が強く、気丈な性格かを知っているからだ。

「だから……さっき私を見た時、あんなふうに感情の制御が効かなくなったのね」

唐沢楓は低い声で問いかけ、無意識のうちに拳を握りしめていた。「彼の後遺症を治す方法は?」

井上院長は小さく溜息をついた。「現状では、鎮静剤のような薬で抑え...

ログインして続きを読む