第436章

その場にいた全員が、呆気にとられていた。

水原光景は驚愕に目を見開き、思わず身を乗り出す。

「あいつ、何を考えているんだ?」

裏口に控えていた網島新も慌てふためき、脱兎のごとく水原悟の後を追った。

宴会場の外。

水原悟は剣のような鋭い眉を寄せ、蒼白な美貌を強張らせながら、その歩調を早めていた。

そこへ正面から、長い髪をなびかせた一人の女が歩いてくる。白のシャネルのスーツに身を包み、さながらこの世の富と栄華を体現したような美女——唐沢泉海の娘、唐沢美佑だ。

脇目も振らずこちらへ向かってくる水原悟の姿を認め、唐沢美佑はパッと表情を輝かせた。心臓が高鳴る。

彼女は艶めいた視線を送り...

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