第470章

「姉さん、毎日同じ道を通っているからといって、事故に遭う確率が減るわけじゃありませんよ。その二つは全く矛盾しません」

七瀬烈司は、淡々とした口調で言い放った。

七瀬涼子はシルクのハンカチで涙を拭いながら、険しい目つきで七瀬烈司を睨みつけた。

「兄さんがこんな大事故に遭ったというのに、烈司、あんたなんだか嬉しそうね。思い通りになって満足?」

「嬉しいとまではいきませんよ」

七瀬烈司はティーカップを置き、金縁の眼鏡を軽く押し上げた。

「ただ、僕は感情の起伏が少ない性質なだけです。姉さんのように、まだ死んでもいないのに、急いで泣き叫ぶ必要はありませんからね」

「あんたって子は……!」...

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