第534章

「だとしても、それは楓に妥協を強いているだけだ。水原悟にせよ七瀬烈司にせよ、楓の良人とは言いがたい」

唐沢佑は苦悩に満ちた表情で首を横に振った。

「だが、水原悟の楓への気持ちは本物だ。昔はろくでもないことばかりしていたが、今は改心しているし、何度も命懸けで楓を傷つけた過去を償おうとしている。それに比べて七瀬烈司の野郎は、俺も深くは関わってないが、楓への下心が見え透いてる。絶対に何か別の目的があるはずだ。それに、唐沢進平は以前あいつに冷たかったのに、最近になって急に態度を変えやがった。あいつが裏で唐沢進平に何か小細工を仕掛けたとしか思えねえな」

白石加尾は普段、家の事情には口を出さないが...

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