第14章

鈴宮京也は目を上げ、冷えきった視線を一度だけ向けた。口は開かない。

鈴宮博也はその冷淡さなど感じ取らないかのように、勝手にため息をつくと、脇のソファへ腰を下ろし、グラスを揺らした。

「はあ……お前も悪い。外じゃどれだけの連中が鈴宮家を、いやお前のその椅子を狙ってると思ってる? お前が出歩くときは鉄壁だ。前も後ろもびっしり固めてな。だが家の中はどうしても穴が出る。今回は深福が運良く助かったが、次もそうとは限らねぇぞ」

慰めの形をして、実のところ脅しだ。

京也は葉巻をもみ消し、温度のない声で言った。

「兄貴の心配は要らない。俺の息子は、俺が守る。で、陰溝に潜ってる鼠どもは……」

言葉...

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