第24章

「鈴宮さんはご多忙ですし、こんな小さな席までご一緒いただく必要は――」

「言ったはずだ」

鈴宮京也が遮った。声は氷のように硬く、譲歩の余地など一片もない。

「俺も一緒に行く」

鷹の目みたいな視線が渡部綾香を縫い止める。

「村野がわざわざお前を呼ぶ。何を企んでるのか、俺がこの目で確かめる」

――俺の未来の妻が、村野の手先であってたまるか。

「それと、ドレスだが」

鈴宮京也の視線が彼女の身体を上から下までなぞった。品定めするような、冷えた無関心さで。

「用意させる。鈴宮家が、礼服の一着も出せないわけがない」

言い終えるなり、渡部綾香に口を挟む隙すら与えず踵を返す。

「小山。...

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