第27章

鈴宮クルミは怒りで全身を震わせた。

「……あいつ、ぜんぜん効いてないじゃない!」

米谷美恵は雑誌を置き、傍らの紅茶を手に取る。ゆっくりと一口含み、どこか諦めにも似た眼差しで言った。

「だから最初から言ってるでしょう。薬は、ほんの微量。鈴宮京也がどんな男か、あなたも知ってるはずよ。警戒心が異常に強いし、周りには腕の立つ人間も揃ってる。少しでも不自然さを嗅ぎ取られたら――私たち、骨も残らない」

カップをソーサーへ戻し、娘を見据える。

「微量の薬はね、あくまで本人の欲を増幅させて、自制を少しだけ鈍らせるためのものよ。衝動を誘導して、あなたと関係を持たせる。操り人形みたいに強制するんじゃな...

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