第40章

「……はぁ?!」

鈴宮クルミの顔から得意げな色が一瞬で剥がれ落ち、信じられないという怒りが取って代わった。声が跳ね上がり、近くを通りかかった使用人たちが思わず視線を向ける。

クルミは慌てて声を落とし、メイドの腕をつかんだ。爪が皮膚に食い込みそうなほど強く。

「本当なの? ちゃんと見た? あいつ、またお兄さまの書斎から出てきたの? いつ!」

「つ、ついさっきです、クルミさま……。渡部さま、入ってからそんなに経ってないのに出てこられて……お顔色が……あまりよくなくて。でも、お召し物が少し乱れてて……」

メイドは痛みに耐えながら、小声で告げた。

入った。出てきた。服が乱れてた。

その...

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