第42章
鈴宮京也の目が、わずかに揺れた。
抜いた短刀の切っ先から、血の玉がころりと落ちる。
彼はそれをレオンに渡し、朝日の右手を指さした。
草野は察して前へ出る。痛みに痙攣しつづける朝日の右手首を掴み、脇の鉄製の作業台へ叩きつけるように押さえつけた。
別の手下が、でかい鉄製のペンチを差し出す。ずしりと重い。
朝日は何が起きるか悟ったのか、喉の奥で潰れた呻き声を漏らした。
鈴宮京也は自らペンチを受け取り、口を開いたまま、朝日の右手の小指へぴたりと合わせる。
「や……やめ……お願いします……親分……」
最後の嘆願は、蚊の鳴くような弱々しさだった。
鈴宮京也は表情ひとつ変えない。両腕に力...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第14章
15. 第15章
16. 第16章
17. 第17章
18. 第18章
19. 第19章
20. 第20章
21. 第21章
22. 第22章
23. 第23章
24. 第24章
25. 第25章
26. 第26章
27. 第27章
28. 第28章
29. 第29章
30. 第30章
31. 第31章
32. 第32章
33. 第33章
34. 第34章
35. 第35章
36. 第36章
37. 第37章
38. 第38章
39. 第39章
40. 第40章
41. 第41章
42. 第42章
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第46章
47. 第47章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
61. 第61章
62. 第62章
63. 第63章
64. 第64章
65. 第65章
66. 第66章
縮小
拡大
