第59章

宴会場の混乱は、ようやく収まった。

鈴宮智也は緊急で担架に乗せられ、病院へ搬送された。全身は水に濡れ、ところどころが黒く焦げている。うめき声が途切れず、空気には焦げた臭いと汚水の生臭さがしつこく残っていた。

招かれた客たちはまだ魂が抜けたような顔で、あり得ない火事について小声で囁き合う。年配の者たちは、淡々と後始末を指示していく鈴宮京也の背中を見つめ、複雑そうに目を細めた。

鈴宮京也は救急搬送と会場の整理を手早く取りまとめると、小山に客の対応を任せ、晩餐会は前倒しで終了すると告げた。

それから、ずっと隅で静かに立っていた渡部綾香のもとへ歩み寄る。

綾香は相変わらず鈴宮深を抱き、腕を...

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